PR
アウトドア料理狩猟・猟銃

ジビエ料理の注意点|安全に食べれる温度管理や衛生管理まとめ

アウトドア

ここでは、シカ肉料理の温度管理についてまとめています。自宅で料理する際は、極力しっかりと火を通して行いたいですが、やはり味を求めるとできるだけ低温で料理したくもなります。

そこで、厚生労働省の出している基準について簡単にまとめてみました。

※この記事あくまで、ジビエで家庭料理をする人が最低限の知識を持って料理できることが目的です。完全に安心できる環境を担保するものではありません。

ジビエ料理の料理での注意点まとめ

ジビエで用いる注意点

・温度管理は最低65度で15分か、75度で1分
・調理器具は、使うごとにしっかり洗浄・熱湯をかける

・肉に異変があれば、食べずに廃棄する

生肉は絶対に食べない!!!!

youtubeなどでも生肉を食べて『刺身は自己責任で食べましょう』なんて言っている人もいますが、自己責任であれば何かあっても病院に罹らないでもらいたいものです。

どんな肉もそうですが、現在の医療で救えないウイルスや寄生虫もいますのでジビエに限らず安全な食を心がけたいです。

ジビエ料理の温度管理について

ジビエ料理の時の温度管理を現した図
中心温度時間
65度未満不十分
65度15分
66度11分
67度8分
68度5分
69度4分
70度3分
75度1分
肉の中心温度と加熱時間の関係

基本はこの温度管理が推奨です。ポイントは75度で1分以上が基準となっていること。これを基に、最低65度+加熱時間で同等の扱いになっています。

また、中心温度がしっかりと設定した温度になっているかは自分で確認をして加熱時間を決める必要があります。

参考:
・野生鳥獣肉(ジビエ)に関するQ&A:https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000365098.pdf
・小規模なジビエ処理施設向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(p7)
https://www.mhlw.go.jp/content/001560368.pdf

Q:ジビエ肉を冷凍した場合、寄生虫は大丈夫?刺身で食べれる?

A:多くの寄生虫が-20度以下で48時間以上、-40度以下で18時間以上で死滅と言われているようです。家庭用冷凍庫では、安定した温度にするのが難しいのと、菌・ウイルスは死滅しませんので生食は絶対にできません。

参考:
埼玉県HP-住肉胞子虫を原因とする食中毒について:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0717/baniku-sarco.html

Q:獲れたて新鮮なら鹿肉やレバーを生で食べれる?

A:新鮮だから食べれることは絶対にありません。ウイルスも菌も新鮮ということです。生ハムが生で食べられるのは、生物が生きられないよう長期間にわたり乾燥や熟成を行い死滅させているからです。

調理器具の衛生管理について

調理器具の衛生管理については、他の肉と同様ですが基本的には流水+熱湯+洗浄できれいに保ちます。

流水で衛生管理

コロナで手洗いが推奨されたと思いますが、流水15秒で1%とかなりのウイルスや菌が流れてくれます。これに手洗いと石鹸でほぼなくせます。

拡大解釈ではありますが、まずは流水で肉片を落としつつその他感染源も流すというのは有効な手段であると考えます。

注意点としては、その水が周囲に飛ばないよう気を付けましょう!


参考:厚生労働省:ノロウイルスによる食中毒の現状と対策についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000105095.pdf?utm_source=chatgpt.com

熱湯で衛生管理

熱湯の場合は短時間で死滅するという明確な根拠はありません。どのようなガイドラインも熱湯で5分以上の煮沸でほとんどの感染症のもととなるものは死滅されるとなっていますが、家庭では現実的ではない基準となっています。

ですが、黄色ブドウ球菌や大腸菌(O157等)などは80度以上の熱湯5秒で死滅することや、他のジビエ(家畜にもいる)寄生虫なども中心温度75度1分で死滅することを考えると熱湯数秒-数十秒ある程度解決すると考えます。
※あくまで公的なものではなく、温度 × 時間の組み合わせで安全に微生物や寄生虫を不活化するという熱変性速度に基づくものです。

参考:https://bio.libretexts.org/Learning_Objects/Laboratory_Experiments/Microbiology_Labs/Laboratory_Exercises_in_Microbiology_%28McLaughlin_and_Petersen%29/07%3A__The_Effect_of_Physical_Factors_on_Microbial_Growth/7.01%3A_Introduction?utm_source=chatgpt.com
・福井県医師会-過程でできる消毒法:https://www.fukui.med.or.jp/kansen/syoudoku.html

洗剤で衛生管理

菌・ウイルスによっては、アルコールが効かない、次亜塩素酸が効かないなどがありますので、最終的にきれいに洗い流すことを目的に中性洗剤で良くこすって洗い流しましょう。

基本的には、ジビエにいる菌はアルコールが効きますが、E型肝炎ウイルス(HEV)に関してはアルコールが効きませんですので、心配であれば次亜塩素酸を最後に使用するとより安全です。

ジビエに関する菌・ウイルス・寄生虫まとめ

ジビエ別に感染症と保有率、症状と治療の現状についてまとめました。糞便や血液からの検出のようですが、ジビエの場合はこれらが肉に付着していることも多いのでまとめて記載しております。

※正確なデータは引用・参考元、その他で確認してください、家庭用で見やすいようあくまで見やすいように約〇%という形でまとめています。

鹿・猪

感染症保有率(約)症状と治療
E型肝炎(ウイルス)鹿0.1%、猪1.1-1.2%発熱、倦怠感、黄疸
重症化例あり
治療法なし
0157等(細菌)鹿13%、猪10%下痢、腹痛、発熱
重症例あり
対処療法
サルモネラ(細菌)鹿4.3%、猪7.4%下痢、腹痛、発熱
対処療法
カンピロバクター(細菌)鹿4.5%、猪8.4%下痢、腹痛。発熱
時にギランバレー症候群になり重症化(後遺症あり)
対処療法
エルシニア(細菌)鹿6.8%、猪3.2%下痢、腹痛、発熱
対処療法
トキソプラズマ(細菌)鹿猪:数%-十数%無症状〜発熱
妊婦は胎児リスク
薬物治療可
肺吸虫(寄生虫)鹿1.4%、猪9-43%慢性咳嗽,胸痛,喀血,呼吸困難
薬物治療可
肝蛭(寄生虫)鹿28.4%、5.1%腹痛,肝腫大など
薬物治療可
住肉胞子虫(寄生虫)鹿88.2%、猪70.7%下痢を高確率に発症(約70~100%)次いで嘔気(吐き気)、嘔吐、腹痛など
対処療法
旋毛虫トリヒナ(寄生虫)熊:2.5%

鴨・野鳥

感染症保有率(約)症状と治療
サルモネラ(細菌)数%-十数%下痢、腹痛、発熱
対処療法
カンピロバクター(細菌)18.5-52.2%下痢、腹痛。発熱
時にギランバレー症候群になり重症化(後遺症あり)
対処療法

ウサギ・小型獣

感染症保有率(約)症状と治療
サルモネラ(細菌)不明下痢、腹痛、発熱
対処療法
カンピロバクター(細菌)不明下痢、腹痛。発熱
時にギランバレー症候群になり重症化(後遺症あり)
対処療法
ツラレミア(野ウサギ病)不明発熱、倦怠感、筋肉痛など
重症化あり
薬物治療可
寄生虫(トキソプラズマ、線虫、鈎虫、肺吸虫など)割合、どの寄生虫がいるかの詳細は不明寄生虫の種類に準ずる


参考:
・MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional
国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト:国内における食肉を介したトキソプラズマのリスク:https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/11037-505r03.html
・吉田彩子:肺吸虫の新規待機宿主ニホンジカにおける感染状況調査と感染状況調査と感染成立要素の検討:https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-17K08082/17K08082seika.pdf
・吉田彩子:人獣共通寄生虫症~野生動物からのスピルオーバー~https://jvma-vet.jp/mag/07707/a2.pdf
・小規模なジビエ処理施設向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書
https://www.mhlw.go.jp/content/001560368.pdf

・杉山宏:野生鳥獣肉が関わる寄生虫症:https://x.gd/UV4ND
・渡邊ら:野生鳥獣由来食肉の食中毒発生防止と衛生管理ガイドラインの改良に資する研究:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202323003A-buntan5.pdf
・厚生労働省HP-野兎病について:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/yatobyou.html

※この記事はあくまで、ジビエで家庭料理をする人が最低限の知識を持って料理できることが目的です。完全に安心できる環境を担保するものではありません。

コメント