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健康・医療

精神面や社会性に対するアウトドアの効果とは

巴川オートキャンプ場の遊具健康・医療

アウトドアとメンタル、社会性の関係

アウトドアを良くする人のイメージとして、「あの人は社交的だよね」などと思われていることも少なくありません。また、教育現場でも対人関係を高めるために集団でのスポーツや、林間学校、修学旅行に行きますよね。実際にどのような効果があるのか、アウトドアとメンタル、社会性について少し調べてみました。

ドルフィンキャンプをした自閉症の子のパターン

ドルフィンファームしまなみ

3名の自閉症患児を対象に, ドルフィンキャンプを3泊4日で2回施行しその効果を検討した. ドルフィンプログラム1回約15分で, 計6回ずつ施行. アンケート, ビデオの分析, 児の自由絵画などを用いて評価した. その結果, キャンプ前後で, 対人関係, 社会性の改善, 言語面での改善がみられ, さらに1年後も感情面, 対人社会面での変化が維持された.それは, イルカの外見や性格に加え複合的なキャンプの効果が推測された.

古荘純一ら:自閉症児に対するドルフィンキャンプの試み,小児保健研究 60(2): 232-232, 2001.

イルカのアニマルセラピーの効果もありそうですが、対人面で言えばイルカは関係ないようにも思えます。そうすると、キャンプを行うことによって得られたコミュニケーション技能の向上だったのかもしれませんね。

教育としてキャンプを用いているパターン

キャンプでトランプ

 

特別活動の教育的な意義は、社会性の育成、知識を総合し応用する能力や態度、技術を実践する能力や態度の育成など、人間形成の一環を担っているといわれています。教育キャンプというキーワードで抜粋してみたところ以下の目的で行っているようでしたので紹介します。

・豊かな人間性の育成
・主体性・創造性・自発性・協調性などの育成
・自己理解・他者理解

参考:伊藤千晴ら:看護基礎教育における特別活動の指導上の留意点についての文献検討日本看護医療学会雑誌 8(1): 40-47, 2006.

効果がどうかはわかりませんでしたが、このような目的で行っているというのは興味深いですね。もしかしたら検証されている論文もあるかもしれません。

広汎性発達障害、ADHDを対象にしたレジリエンスキャンプのパターン

レジリエンスキャンプに参加した知的に遅れはないがコミュニケーションの苦手さや多動性などの特性をもつ,小学3年生から小学6年生までの15名の子どもたちとその保護者を対象.なお,キャンプ参加の条件として,医師により広汎性発達障害,注意欠如多動性障害のいずれかの診断を受けている児として計3回(2013年7月6日~ 7日,9月14日~16日,2014年1月25日~26日)実施された.Strengths and DifHculties Ques-tionnaire(sDQ)の結果、キャンプ前と比べてキャンプ後は,大人からみた子どもの日常生活における客観的な困難さは軽減していた.

 樋口隆弘ら:発達障害児におけるレジリエンスキャンプの有効性 The Strengths and Difficulties Questionnaire(SDQ)を用いた評定,子の心とからだ[JJSpp]2017,26(3):280-285

大人から見た客観的な子供の困難さが軽減していたというのは、その子たちのコミュニケーションの苦手さや不注意さからくる社会場面での困難さを軽減したということですね。子供の場合は、自分たちのことを客観的に評価するのは難しいので、大人から見た評価として改善していたというのはとても分かりやすい結果なのだと思います。

レジリエンス(自然回復力)は「自身が直面する困難に立ち向かい,乗り越え,立ち直る能力」と一部では定義されています。レジリエンスを構成する要素としては「困難に対する積極的な態度事態がよくなるだろうと思える信念,柔軟性」が挙げられます。

大学生を対象にした自然体験との関係を示したパターン

美女たちのキャンプ飯

18歳から24歳の大学生350名を対象にした調査なのですが、個人的に一番興味深い結果でした。ざっくり言えば「幼いころから自然体験が多ければ多いほど、大人になっても自然体験をする」、自然体験をすることで「社会性が向上する」「自信がつき、不安が減少される」という効果です。

結果

①過去の自然体験の種類数が多いとそれぞれの時期でも自然体験の種類数が多い。
②過去の自然体験の種類数が多いと現在の自然体験イメージと自然観がよい。
③過去の自然体験の種類数が多いと、現在の社会適応力が促される傾向がある。
④過去の自然体験の種類数が多いと、現在の情緒的支援の認知が高まり、特性不安が低い

この③と④に焦点を絞って紹介させていただきます。

一部抜粋

〇過去の自然体験の種類数が、現在の社会適応力にもたらす影響
社会的スキル、自己価値感、問題解決型行動特性、父親・母親・友人の情緒的支援ネットワークと過去の自然体験の種類数は、ほとんどが有意な相関係数を示している。過去に多くの自然体験の種類を行うことによって、自己価値感が高まり、社会的スキルと問題解決型行動特性が上がり、特に父親との情緒的支援ネットワークを認知しやすくなっている

自然体験は、困難なことに直面しても打開を見出せる問題解決能力を高め、全員が同じ立場で、一つの課題に取り組むので、強い信頼関係が生まれることから情緒的支援ネットワークを認知させることが示された。

〇過去の自然体験の種類数が現在の不安傾向にもたらす影響
「自己効力感」にプラスの影響が認められ、「不安傾向」にそれぞれ強いマイナスの影響が認められた。過去に多くの自然体験の種類数を行うことによって、特性不安が有意な負の相関係数を示している。さまざまな場面数を踏むことにより物事に対する対処能力がつき、仲間と一つの課題に取り組むので信頼関係が生まれることから不安が低いということが考えられる。

小林由実ら:大学生の心理社会的要因と精神健康に対する自然体験の影響,ヘルスカウンセリング学会学術大会 10(suppl): 45-45, 2003.


私としては、父親との情緒的支援ネットワークを認知しやすくなっているというのがびっくり。こういうところで父と子のコミュニケーションは発揮されるんだなぁと思いました。

本当はもっと細かく書いているのですが、ここで紹介できるのはこの程度です。興味がある方は、論文を調べて読んでみてくださいね。自然好きな人にはきっと満足できる内容だと思います。

さいごに

この記事ではアウトドアを中心に書いていますが、だから外に行くことがすべてというわけではありません。一般的な子育てとしては参考になるかもしれませんが、病気を抱えている場合は外にでることがマイナスになることもあり単純に解決する問題ではないこともあります。専門家の意見も踏まえて援助の一助にしていただけると幸いです。

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