外出時の喘息はとっても恐い
小児喘息を経験しているお子さんや親も多いと思います。そんな、子供の喘息は非常に大変な問題ですよね。家にいる場合は、まだ薬やかかりつけの病院があるので夜間も通院することができますが、旅行中はそうもいきません。重症化して大変なことに・・・なんて想像もしたくないですよね。そのまま子供も親も困ってしまうことが無いように、困らないための準備と注意点をまとめてみました。
ちなみに、私は三人兄弟の親ですが、次男・三男が喘息で身近な問題です。
喘息になりやすい旅行時の特徴
良く環境が変わると喘息が起こりやすいと言いますよね。そもそも、小児の気管支は大人よりも柔らかく狭窄しやすい構造になっているので喘息が起こりやすいと言われています。そこで、根拠のある論文からしっかりと特徴を抑えていきたいと思います。
季節、気温、気圧など環境に関係する特徴
いくつか論文から抜粋してみました。
発作が最も多く見られたのは8月末から10月上旬にかけてであり、年間最大の山を形成し、いわゆる台風シーズンと言われるものが明らかに認められた。次の山は5月にみられたものであり、この二つのピークを除いては、他の月にはこれといった特徴がみられない。
中村孝ら:小児気管支喘息発作の実態ー喘息発作の季節的歴日的変動,特に気象との関係についてー,小児科臨床 19(9): 1032-1041, 1966.
発作を誘発する気象因子は明らかではないが、気圧上昇と湿度の下降が伴う場合に発作発現が増加するように思われた。
気象の変化のうち、気温の変化が最も関係があると言われています。前日と比較して平均気温が3~5℃以上低下した日や、過去5時間以内に3~5℃の気温低下があったときに発作が起きやすいと言われております。
家田泰浩ら:喘息悪化の原因とその対策。気象との関与とは?,「Q&Aでわかるアレルギー疾患」VOL.4,No5,2008
喘息の危険因子:運動、ならびに過換気、煙、臭気、水蒸気など
つまり、まとめてみると
特にキャンプでは気温の低下する夜も明け方も屋外になりますので、気温の変化も受けやすく、焚火で煙も吸い込みやすいため非常に注意が必要ですね。
喘息の時に役立つ医療機器
これはVIRTEX(ボルテクス)というスペーサー。便利なところは、小型で電気いらず。持ち運びに便利なところ。
皆さんそれぞれ服薬をしていると思いますので主治医に相談するのが一番ですが、もしネブライザーという煙のモクモクで薬を吸入している場合は、アウトドアや旅行時に持ち運ぶのは大変なので下のスペーサーを用いた吸入をおススメします!
同時に持っておくと便利なのがパルスオキシメーター、最近はコロナで持つ人も増えているかと思いますが、子供の喘息には必須だと思ってもらって良いです。自分で数値を把握して、夜間病院に行くかどうか考える指標になります。
私が持っているのは、amazonで7000円程度のこちらのものになります。あまりに安いものは数値の差が激しいのでおすすめしません。一番下には病院でも使用をお勧めできるようなものを紹介しています。
私が普段使っているお薬ケース
こちらが私が普段使っているお薬ケースになります。この中に、必要な薬(紛失予防のため予備分は別のバッグに保存)、体温計、パルスオキシメーターが入っています。
喘息の子供がいる時の準備と注意点
以下に、一般的に言われいている点に加えてアウトドアならではの視点もまとめました。
さいごに
喘息発作は重症度によっては命に関わる病気です。再発を繰り返さないことが、子供の喘息が改善するための治療になります。旅行の時のみ喘息になる子も少なくありません。旅行の時に悪化を防ぐことが子供のためになりますので、この記事が参考になれば幸いです。
実際に急性期病院でも使用されているおすすめパルスオキシメーターを紹介します!!
こちらの商品はやや高価ではありますが、外来で来る患者さんも使用しており常にSpo2がチェックできるとともに、スマホとも連動できる優れものです。
子供の場合は上の商品はやや大きめですので子供用がいいでしょう。私が用いているのは、もっと上で紹介した6000円程度のものですが、病院などになるともう少し高価なものを使います。心配な方はこちらが良いです。
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