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健康・医療

鉄製のスキレットやダッチオーブンが健康に良い理由!

鉄分と調理器具 健康・医療

よく鉄性の調理器具は鉄が摂れるから健康に良いとか言いますよね。キャンプではスキレットやダッチオーブンなど鉄製を使うことが非常に多い!最近は中華鍋も流行っているので、キャンプと鉄の調理器具は切り離せないパートナーといってもいいでしょう。でも、どれだけの鉄分が摂れているかご存じの方も少ないのではないでしょうか。私も気になっているところでしたので、調べてみました!

キャンプで使う鉄の調理器具。具体的にどれくらいの鉄が摂れる?

スキレットで煮込みハンバーグ

焼く、煮る、茹でる、それぞれいろんな調理があります。実際は、その調理方法や調味料によって異なり、体に吸収されやすいと言われる鉄の種類も実はあるようです。

POINT

・酢を使うと鉄分が溶け出しやすい
・調理時間が長ければ溶け出しやすい
・溶け出した鉄は体に吸収しやすい鉄
・1日で必要な鉄分の約1/7が、鉄器具から摂れる

調味料でどう違うのか

玉ねぎ100gに水を50ml加えて、5分加熱した調味料無添加のたまねぎの鉄溶出量は0.08mgであったが、食塩を1%添加することにより0.40mgに増加した。さらに食塩1%、トマトケチャップ15%添加で1.04mgに増加し、食塩1%、食酢10%添加では2.26mgと著しい増加がみられた。

今野暁子ら:調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化,日本調理科学会誌Vo1.36No.1(2003)

この結果から酢>ケチャップ>塩の順で鉄が溶解しやすいことがわかりますね。
鉄でケチャップを使うのに多い料理は煮込みハンバーグなどでしょうか。なんだか料理のイメージが湧いてきますね。

調理方法でどう違うのか

調理名(4人前)調理時間鉄溶出量
ビーフシチュー120分4.19mg
酢豚30分1.40mg
野菜炒め5分0.61mg
調理方法と時間に対する鉄溶出量

この結果は、ビーフシチューは煮込み時間が長いため溶出量が多いことがわかりました。酢豚は初めに油で炒めたことによりコーティングされたこと、また酢を入れてから1分しか経っていないのが原因のようです。野菜炒めは油でコーティングされてしまったことと調理時間が短いなどの理由あります。

つまり、調理時間が長ければ長いほど溶出する鉄の量は多くなるのですね。

キャンプは煮込み料理が多いので、やっぱり体によさそう!

摂れる鉄は吸収しやすい鉄?二価鉄と三価鉄について

鉄の吸収はその化学形態によって異なり,一般に2価鉄は吸収されやすいが3価鉄は吸収されにくく、2価鉄は自動酸化して3価鉄に転換されやすいといわれている。鉄びんで沸かしたお湯では溶出鉄中の78.5%が2価鉄で時間の経過とともに減少する傾向がみられたが,食塩や食酢を添加した場合は2価鉄の割合が増し、特に食酢添加では98%と高値を示した。しかも時間の経過による減少も少なかった。これは食酢添加にとりpHが低下して2価鉄が安定化したためと考えられる。以上の悔過より、調理中に鉄なべから鉄が溶出すること、さらにその溶出鉄は吸収されやすい2価鉄が多いことが明らかになり、鉄鍋、鉄瓶の利用は鉄供給増加に有効であることが認められた。

今野暁子ら:調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化,日本調理科学会誌Vo1.36No.1(2003)

つまり、調理で溶け出す鉄分は体に吸収しやすい形で残るということですね。
これは意外でした。実は吸収されにくいのではないかと考えていました。

1日に必要な鉄分の量は?

1日に必要な鉄分の推奨量は表に示すとおり18~29歳の女性では月経なしの場合6.0㎎、30~69歳の女性で6.5㎎、70歳以上の女性で6.0㎎です。18~29歳の男性では7.0㎎、30~69歳の男性で7.5㎎、70歳以上の男性で7.0㎎です。※参考:鉄の食事摂取基準2015年度版

先ほどの結果からは、ビーフシチュー4人前で4.19mgなので、1食で1日に必要な約1/7の鉄分が摂れることになります。良く鉄分で挙がるホウレンソウで言えば50g食べるのと同じ量になります。

恐るべし・・・鉄の調理器具・・・

まとめ

気になっていた実際の鉄溶出量や、どのような条件でより体に吸収されるのか確認できました。個人的には良く煮込みハンバーグを作るので、体に良いものが作れていたと満足な結果に!キャンプならではのプラス効果を知っていれば、楽しさも倍!積極的に鉄調理してみても良いですね!

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