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雪洞崩れない?ビバーク練習でわかった作り方と快適にするポイント

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雪洞のイメージはビバークで便利、意外と中が暖かいなどあると思いますが、実際はどうなの?崩れないの?どうやって作るの?など疑問が多いのではないでしょうか。私はしっかり一泊するというのはしたことがなかったので、試しにやってみてわかった雪洞の色々をお伝えします!

※経験を共有するための体験談として記載していますが、実施は自己責任のもとお願いします。

結論

ビバーク練習でわかったこと

・雪洞の中は本当に0℃。作って2時間は暖かいけどその後は極寒
・最低限の道具では寝れない(エマージェンシーシート、コッヘルでお湯沸かす程度)
・最低限の道具での濡れ対策が非常に難しい
・一泊する予定の装備とは天と地ほどの差がある(マット+シュラフ)

・雪の中は完全な防音空間。どんなに大声を出しても聞こえない。
・雪洞が快適っていう人もいるが、快適ではない。(主観)

ただ、最悪一晩しのげるという環境だとは思うので作り方と最低限あると良い道具、便利グッズを紹介したいと思います。

今回は日帰りBC予定だった場合の緊急ビバークの設定なので、マットレスやシュラフの準備はありません。最低限の装備での設定です。1泊2日の準備がある場合とは異なります。

雪洞の作り方

雪洞つくりのポイント

・雪庇がなく、急な斜度がない雪崩にくい場所を選ぶ
・頭上には1m程度は雪が欲しい

・天井はなるべく丸く仕上げる(水が垂れてきます)
・降雪が少ないときは斜面に向かって掘っていくと高さを稼ぎやすい
・降雪が少ないときは初めに下に掘ると高さを稼ぎやすい
・メインの空間は、膝立ちができる程度の高さがあるとかなり動きやすい

その時の雪質もあるのでなかなか理想通りに作るのは難しいですが横から見た図と上から見た図を載せてみました。こんな感じになると良いのではと思っています。
私はこのようにうまく作れませんでしたが、今回作った方法と反省点を一つ一つ解説していきます。

雪洞の作り方
雪洞の作り方

雪洞の場所

まず、雪道に適した斜面を見つけます。ここでは雪崩リスクが少ないことを必ず確認しましょう。雪崩で入り口が埋まると最悪の場合掘り返せなくなります。今回はこのような斜面で試しました。風向きに注意して雪庇がない場所が良いようです。

雪の深さを確認する

プローブを使って深さを確認します。天井の厚みは少なくとも1mはあった方が良いので今回は奥に2m程度進んだ後に右に掘っていくL字型の雪洞を作ることにしました。

天井の残りが1mなんとかあるくらいであまり高さが見込めなかったので、初めに紹介した図よりも低めの雪洞です。

ちなみに、奥行き230cm

斜面手前の深さで210cm

雪を掘る

ざっくざく雪を掘っていきます。私の使うショベルは鍬モードができるので掘るのが楽です。しかし、思っていたよりも上が新雪ふかふかだったので予定より深く掘り少し固い層になるまで下に掘り進めました。

写真の通り掘っているときに雪が降っていなかったので、暑くてジッパーを開けてしまっていましたが、天井など掘る時に雪が降ってくるので必ずフードをして完全防備で掘った方が良いです!!

地面も少し固めておきます。鍬モードは立ったまま押しつぶすだけで地固めできるのでホント楽です。

ここから入り口を掘っていきます。結局初めの深さは1m程度掘りました。

雪洞の作り方

中へ掘り進めて、次は右に曲がって掘り続けます。

高さ70cm程度です。すんなり中に入り込める感じなりましたが、ザック背負っては通りにくい高さだったので、もう少し高くすればよかったです。

ツェルトを雪の中に突っ込んで、カーテンのように蓋をします。

雪洞の入口

これで完成。

雪洞の入口

最後に、雪洞の目印かつ空気穴になるようにプローブを差し込みます

雪洞の空気穴

雪洞の中

掘った後は汗だくです。グローブを外しても全く問題ありません・・・が、基本的にこのようなことはしない方が良いと思います。濡れるだけです。

雪洞の中

雪洞の中の温度は本当に0℃でした。ちなみに、外は-7℃です。やはり中は0℃で固定のようです。

雪洞の中の温度

今回作った中は、1m10cmほど。座って作業がしやすい空間でしたが、もう少し高く掘っても良かったのと、上が見ての通り凸凹だったのでもう少しきれいに丸めた方が水滴も滴りにくくて良かったとあとで反省。つららがどのような場所でできるか意識していればこんな風にはなりませんね。。

コッヘルの棚を作ったり

雪洞の中

予備のライトを埋め込んだりして

雪洞の中

なんとか、位置を変えずに生活しやすい空間にはなりました。

雪洞の中

ちなみに、エマージェンシーシートは濡れ予防で床に置いてもツルツルと滑ります。ないよりかは良いですが、イメージ通りに敷くのは無理でした。あと、スキーブーツで乗るとすぐに破けます。
底冷えがすごいので、ザックの上におしりと腰のあたりが当たるようにセッティングして過ごします。
ザックの中に足を入れて過ごすなどの方法もありますが、私はお尻の下に敷いた方がずっと暖かく感じました。

目線はこんな感じです。まずまずの感じ。ちなみに、見えているプローブは空気穴です。自分でくるくるすれば降雪があっても埋まらないのと、上から雪洞がある目印にするために入れています。

雪洞の中

完全に横になると雪の接地面が多く、体温的にきついので足を伸ばして座っているようなスタイルで過ごしました。

雪洞の中

写真では少し快適そうにも見えますが、まったくもって快適ではないです。なんなら寒くてうたたね程度しか眠れません。寒くて起きて身体を動かす繰り返し。特に足先はどうにもなりませんでした、今回一番つらかったのは足先です。

雪洞の解体

雪洞の上を歩きます。赤い部分が雪洞になっている部分です。

雪洞崩壊させるために踏み抜いた

ずぼっと落とし穴に落ちる感じ。深さによっては、自分で出るのは難しいですね。

雪洞の崩壊

天井の高さを測定してみることにしました。まず、上が240cm。

下が130cm

作成した雪洞は1m10cmの天井の高さだったようです。踏み抜いたときは一瞬でしたが、上に何か点での重みがなければ崩壊することはなさそうでした。

雪洞の崩壊

普段の道具に加え、最低限あると良い道具

経験してわかったのポイント

・足が冷たすぎる!靴は思っているように脱げない!
・底冷えの最低限の対策は必須

・濡れ予防が必要

ここでは、日帰りBCの緊急ビバークを少しでも快適に過ごすための道具を紹介します。基本的な道具はあること前提です。

底冷え対策

緊急用であればエアマット程の準備は不要。90gでコンパクト。耐久性高いのは魅力。お尻にザック、背中にクッションという使い方もできるし足元の冷え対策で置くことも可能。キャンプでの枕でも使えるので、1つあっても良いものですね。

足先の冷え対策

雪洞内で靴を脱いでカイロを履くのは濡れのリスクが高いです。特にスキーブーツの場合はなおさら。履き替えずに使える電熱ソックスは本当に心強い味方です。暑いときは使用せず、寒いときのみ起動。ハイクアップ時には何もせず、休憩時に付けるなんてことも可能。ビバーク以外でも活躍できます。この素材は、75%ポリエステル、15%スパンデックス、10%ナイロンなので速乾性があり雪向きです。

ボーダーであれば、比較的脱ぎやすく履きやすいのでカイロはあった方が良いでしょう。というか、末端は冷めると温まらないので必須です。靴下の上からつけるのが良いです。ぶ厚めのソックスなので、マグマを選ぶと安心です。

あとは、体質改善。知り合いのガイドは、冷え性対策で食事・足つぼ・サプリで身体管理しているので末端冷えに困ったことが無いようです。日々の生活を気を付けるところから始まりますね。シーズンは最低限こういうのを飲んどけとおすすめされました。

濡れ対策

私はまだ購入していませんが、エマージェンシーシートより体を包めるシュラフカバータイプが良いと強く感じました。軽量な体を覆えるものを購入しておくと安心です。ただの平べったいエマージェンシーシートは使い勝手は良くありません。

万全な準備で雪山を楽しもう

以上、体験談でした。これが正しいというわけではないですが、体験を共有するのは大事なことだと思います。是非、皆さんも一度はビバーク練習をしてみてください。

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